裁判離婚に踏み切る場合は?
裁判を起こすには法定離婚原因が必要
協議でも調停でも離婚にいたらず、それでもまだ離婚を望む場合、裁判離婚という最終手段に進むことになります。
離婚裁判を起こすには、離婚原因が問われます。
最近では、夫婦関係が破綻している現状を認める傾向が見られるようになりましたが、基本的には夫婦関係を一方的に破綻させた有責配偶者から裁判を起こすことはできないようになっています。
民法が定める5つの離婚事由
- 配偶者に不貞行為があたっとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
勝つためには争うポイントを明確にして
裁判離婚では、原告と被告とに分かれて離婚の原因や現状を主張、立証していき、それに対して裁判官が判決を下します。
人事訴訟という裁判ですから、主張の正当性を証明することが重要です。
そのためには、争点を明確にする必要があります。
原告側からすれば、事実にもとづいてありのままに話せばよいと思うでしょうが、中途半端な証拠や些細な矛盾点を相手から指摘されて、一気に形勢が逆転することがあります。
被告側に振り回されないように、作戦をきちんと立てて臨みましょう。
離婚は人事訴訟
裁判には刑事と民事とがありますが、民事の中でも、夫婦や親子関係における争いを解決するための訴訟を人事訴訟といいます。
平成16年の人事訴訟法の改定により、管轄は家庭裁判所になりました。
離婚訴訟は弁護士と二人三脚で
話し合いで解決を図ろうとする調停とは異なり、裁判の場合は、訴訟の準備から法律の専門知識やテクニックが必要になります。
つまり、離婚裁判まで進んだ場合、弁護士の助けは必要不可欠ということです。
実際に、証拠をよく吟味して有効に使う準備をしなければなりませんし、訴状の作成にも細かな配慮が求められます。
審理が始まれば、口頭弁論や書面の準備などが待っていますし、裁判は一般に公開されることを考えると、早めに弁護士を探すべきでしょう。
弁護士は慎重に選びますが、依頼後は弁護士を信頼してすべてを話し、二人三脚で裁判に臨むようにしましょう。
離婚訴訟の手続きは管轄の家庭裁判所で行う
離婚裁判を起こすには、家庭裁判所に訴状や調停が不成立になったことを証明する調書などの必要書類を添えて提出します。
費用は一律ではなく、請求内容に応じて変わってくるので注意しましょう。
管轄の家庭裁判所は、当事者の住所地を受けもつところですが、離婚調停を行った家庭裁判所に提出することもできます。
離婚裁判を提訴するための条件
- 調停が不成立に終わっている 調停前置主義
- 民法が定める離婚事由がある 有責主義
- 有責配偶者から提訴する場合は一定の条件を満たしている
請求できる内容
離婚することに加えて
- 未成年の子どもの親権者指定
- 財産分与
- 年金分割
- 慰謝料
- 子どもの養育費
離婚裁判のリスク
- 希望どおりの判決が出るとは限らず、どんな判決でも確定したら従わなければならない
- 裁判は原則として公開なので、プライベートなことまでさらけ出される
- 提訴の手数料や弁護士費用など、相当なお金がかかる
- 社会的常識と法廷内での常識とが異なり、腹立たしい思いをすることがある
- 弁護士によって法的解釈が異なるので、戦術が裏目に出ることがある
- 一審で敗れた場合は控訴するケースが多く、確定までに時間がかかる
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